LIVゴルフ現地観戦で感じたことトップ10

ロンドン初戦を経て、22年6月30日、アメリカに上陸したリブゴルフ (LivGolf) を現地観戦しました。3日間大会の初日のラウンドに馳せ参じました。

会場となる米国北西部オレゴン州ポートランド郊外のパンプキンリッジGCは、自分が住むシアトルエリアから車で日帰り往復可能な位置にあります。

PGAとのリング外での乱闘が醜いリブゴルフですが、ここではリング上での熱い闘いを実際にこの目で見て感じた中から特に気になった点10選をお送りしたいと思います。

なお3週間前の初回ロンドン大会直前に記したギャラリー目線のリブゴルフ大予想も併せてご覧ください。

10. ギャラリー少なめ

観戦したのは大会初日の木曜日。平日ということもあってお客さんは少なめに感じました。人垣でプレーヤーが全く見えないという状況はなかったです。

もちろんボクが最初に追ったデシャンボー、D. ジョンソンの組には比較的多くのギャラリーが付いていました。しかし昨年8月のWGC FedExでこの2人のペアリングを見ましたけど、お客さんの密度に大差はなかったです。

それよりも知名度の低いプレーヤーの組のギャラリーの少なさの方が際立っていましたね。注目グループ以外のLPGA予選ラウンドを見ているようでした。例えば日本から参加した谷原、香妻選手の組は片手で数えられるほどでしたし、稲森選手にアジア人ギャラリーがいる!と思ったら奧さんだったりして。

ギャラリースタンドの設置なども限定的なのでお客さんを各ホールにバラかす仕組みの薄さや、男子プロゴルフ観戦に不慣れなギャラリー層の厚さというのも人気トップ選手への偏りに繋がったのかなと感じました。

いずれにせよゴミゴミしてなくて観る側としては最高でしたが。

9. すべてリブ名義

ギャラリープラザや入退場の導線沿いに協賛企業のロゴや社名などを全く目にしませんでした。ゴルフメーカーのクラブ試打ブースや、スポンサー企業のテントなど全くなく、「LivGolf」のロゴ以外目にすることなく、企業色ゼロの大会でした。

これはまあゴルフ観戦と直接関係のないところなのでどっちでもいいといえばどっちでもいいですが、リブの資金力を間接的に実感させられました。

8. 人員不足?

ギャラリーが少ないのはいいんですが、大会運営に不可欠なボランティアの数も少なかったように感じます。

例えばホールを横断するギャラリーを出入口でコントロールするためのロープの開け閉め。選手のプレーを邪魔しないように開閉のタイミングを見計らう必要があるわけですが、選手がいないのにロープを閉めっぱなし、かつ周辺にボランティアの姿はなし、という状況に何度も出くわしました。その都度自分でロープを外していましたし、他のギャラリーから「ここもまた自分でやらなきゃなんない感じ?」と軽いツッコミが入るような状況でした。

まあでも大会初日ということでボランティアの教育や慣れの問題もあったでしょうし、ロープぐらい自分でやるのはいっこうに構わないんですけど。

逆に多すぎるボランティアがギャラリーの視界を遮るほうが疎ましいですから。

7. 体力消耗せず

選手全員同時ティーオフのショットガンスタートのギャラリー的メリットはこれです。

疲れません。

約10分おきにティーオフしていく通常のトーナメントは朝の7〜8時から日没直前まで10時間以上もかかります。その間コース上で誰かしらがプレーしているわけですけど、全員のスタートが同じショットガンスタートでは終了時間も全員同じであり、プレーを見られるのは一日4時間半です。これまでの約半分の時間ですね。見たい選手が何人いようが、最大4時間半後には強制終了です。午前組と午後組を見るために36ホール歩くなんてことはザラですけど、リブゴルフではあり得ません。

従って疲れません。余力があるので練習でも見ていくかぁという気にもなります。

実際にラウンド後の練習場でデシャンボーとケプカのショットを同時にじっくりと観察できたのはこのお陰ですね。デシャンボーの滞空時間の長いフェアウェイウッド、ケプカの地を這うようなアイアンショット、そして木下稜介のドローボールとたっぷり堪能できたのは、もちろんゴルフ愛と選手愛があってのことですが、体力と気力が残っていたのも一因ですね。

6. でもラウンド終了直後に落とし穴

いや、確かに疲れはしなかったんですけど、ショットガンスタートでは最終ホールもみんなバラバラ。個人的にラウンド終了後のクラブハウスへの引き揚げ作業は盲点でした。

香妻陣一朗選手のホールアウトを見届けた5番ホール。

一般にアウトとインの中間ホールってクラブハウスから最も遠い所にあるんですよね。今回のパンプキンリッジも例外ではありませんでした。

選手はグリーンサイドに待機している乗用カートで労力をかけず戻れるからいいですよ。ギャラリーはそんな文明の利器は使用不可。歩くしかありません。

先にも言ったようにギャラリーが2、3人しかおらず、かつ途中でトイレに寄っちゃったんでもう周りに誰もいなくなっちゃったんですよね。プロトーナメントのコースでマジぼっちになると辛いですよ。

今回の会場は別々の2つのコースから9ホールづつ選んで18ホールを構成しているため使っていないホールがたくさんあり、ショートカットすべくその使用していないホールを歩いたが最後、簡単に言うと迷子になってしまいました。😭😭

先に行ったようにボランティアも少ないですから誘導してくれる人はいませんし、終いには関係者以外立ち入り禁止エリアに迷い込んでしまったため迂回するのに無駄な歩数を増やしてしまいました。

方向感覚の欠如により自ら招いた失態とといえばそれまでですし、実際そうなんですが、くれぐれも選手選びは計画的に。

5. 壮観な練習場

全員同時スタートですからウォーミングアップの時間も重なるわけで、予想通り、ティーオフ前のドライビングレンジは混み合っていました。

となると注目選手もみなそこにいるわけで、LivGolfへの移籍・参加がメディアで大きく取り上げられた選手全員が横一列に並んでいる光景は壮観でしたね。

ギャラリーとしてもティーオフ時間までやることといえば選手ウォーミングアップ観察のオプション一択なので、練習場で贅沢なひとときを過ごせたのはプラスでした。

4. 忙しない観戦

疲れないのはいいものの、逆に言うと18ホール4時間半という短い間に見たい選手を見なきゃならないわけです。大変です。PGAなら午前・午後に分かれていたはずの選手達が、リブでは午後に一挙集中します。ボクはベタに注目選手トップ選手たちと日本人選手らを見たのですが、各組の観戦ホール数は以下です。

  • デシャンボー、DJ組: 4.5ホール
  • ケプカ、アンサー、ウルフ組: 1.0ホール
  • 稲森組: 3.0ホール
  • 谷原組: 2.5ホール
  • 木下、オルティーズ組: 1.5ホール
  • 香妻組: 2.0ホール

各組毎のホール数が少ないですよね。これでも1〜4番ホールを何度も往復しながら定点観測し、昼飯休憩してを挟んでいるので尚更です。もう少し他のホールを含めじっくり追いたかったです。

ただし、かと言って時間があれば消化ホール数は増えるという単純なものでもなく、自分の体力との相談になりますから現実的にはそんなに変わらないかもしれません。

かつグループ間を横断観戦するにはコースレイアウトも重要です。各ホールがハザードで完全にセパレートされているコースでは地獄です。ショートカットできないので来た道を戻るかひたすら待つしかありません。これは時間と体力を著しく消耗する行為なので望ましくなく、その点パンプキンリッジはリンクスコース的な佇まいもあってショートカットルートも所々に用意されているため効率的に複数の選手を追うには適した環境でした。

コースレイアウトがギャラリーのホール間移動に影響するのはこれはリブに限った話ではないですけどね。

3. アプリ作って

これは早急にお願いしますw

トーナメント観戦に行くと、PGAなりLPGAもしくは大会のスマホ用公式アプリでリアルタイムにリーダーボードを確認できますが、リブゴルフにはまだそれがない。公式サイトにアクセスするのは面倒ですし、プレーヤーの現在位置すら分からないんですよね。下手すればYouTubeでの生中継映像に頼ったりして・・。

リブの莫大な資金のほんの一部を回せば、秒でアプリ開発・運用をやってくれる会社なんて山ほどあると思いますがw

2. 鳴り響くBGM

試合開始前後のクラブハウス周辺では常に音楽が流れていました。それもそれなりの音量で。

ポピュラーミュージック好きなので個人的に全く問題がないのですが、リブ以外の大会では見られない試み。

ドライビングレンジやバッティンググリーンで音楽が大音量で聞こえてくるのは面白いなあと。

なおティーオフの時間がくると音楽はパタッと止みます。

1. 米国北西部での開催

1位は何と言ってもこれです。

ボクの住むエリアはアメリカ北西部に位置していて、一年中ゴルフが楽しめる環境にありながら男子ゴルフのレギュラーツアーの開催がありません。2015年の全米オープンの開催が最後です。LPGAのポートランドクラシックや下部ツアー、PGAシニアツアーは夏に開催されるものの圧倒的な知名度と人気を誇る男子レギュラートーナメントとは縁がなく、従ってボクは常に飛行機での遠征を余儀なくされているわけです。

北西部を代表する都市シアトルとポートランドと人口で同等か下位にいるラスベガス、デトロイト、メンフィスなんかで定期開催されているのは合点が行きません。

そんな男子ツアー不毛の地でリブゴルフを、それもアメリカ上陸初戦を開いてくれてありがとうグレッグノーマン!

アメリカの大都市へ向かう前のリハーサル的な意味合いもあったのかもしれませんが、理由はどうあれ来年以降も定着させていただきたいものです。パンプキンリッジよりもいいコースは沢山あるしw

そしてそこで日本人選手を4人も見れたこと。

松山選手や小平選手はいいんです。他の大会で見れますから。

参加の動機は何であれ、例えば谷原選手とデシャンボーが並んで練習している光景なんか微笑ましいですし、稲森選手の外国人ギャラリーや選手とのコミュ症っぽい振る舞いに我が日常を見ているようですし、ボクにとっては日本を主戦場としている彼らこそ遠い存在なので、生でプレーを見て応援できる機会を作ってくれたのは感謝しかないです。

後日リブゴルフから観戦チケット購入者宛に満足度調査が送られてきました。いい機会なので、改善希望点を直接フィードバックさせていただきました。