ギャラリー目線でLIVゴルフ大予想

(追記:このブログの3週間後の6/30に現地観戦したリブゴルフ第二戦ポートランド大会初日の経験から実際の模様を赤字で追記しています。)

グレッグ・ノーマンが率いるLIV ゴルフツアーは、サウジマネーがどうの、前払い金がどうの、PGAのペナルティーがどうの・・・って何か忘れてないですか? プロゴルフはお客さんがいるから成り立っているんですよ。客目線で、もうちょっというとギャラリー目線でLIVゴルフについて語られているメディア記事は、ボクが無料配信を対象とした限りでは日米通じて極めて少ない。それなら自分で書いてみるか・・・ってことであくまでも LIV ゴルフホームページからの情報をもとに、初戦のロンドン大会開始直前のこのタイミングで、ただの一般アベレージゴルファーのボクが、LIVゴルフのユニークさを「ギャラリー目線」で「想像」かつ「主観」で書いてみたいと思います。

観戦チケット購入

サウジマネーがバックについているとはいえ、ただでは入れてくれません。LIVゴルフを現地で生観戦したいなら、入場にはお金が必要ですw

アメリカに住んでいるので初戦のロンドン大会のチケット情報ではなく、6/30-7/2、アメリカ・オレゴン州ポートランド開催の2戦目のチケット情報を見てみます。

1日券は前売り70ドル。日本円で約9,000円でしょうか。まぁまぁアメリカの男子プロゴルフの大会なら驚くほど高い価格設定でもないですね。メジャー大会などでは100ドル以上取りますから。

当然ながら、というかPGAのどの大会もそうですが、インターネットで前売りチケットが購入可能です。

ちょっと嬉しいなぁと思ったのが、手数料がないこと。

ネット購入では特に何らかの名目でそれなりの手数料が追加でとられます。本体価格が70ドルなら10ドルは取られてもおかしくない。そこに消費税10%とかが加算されると・・・って感じなのですが、LIVゴルフの(少なくともポートランドの場合には)手数料なし! 本体価格に含まれていると考えるのは野暮というもの。ここは素直に喜んでおきましょう。(ちなみにオレゴン州は消費税0%)

ちょっと面白いなぁと思ったのが「Refundable Booking」(=払い戻し可能な予約)というオプションがあること。

大手チケットマスター取り扱いのチケットや航空券購入の際には当たり前となっている「もし個人的な何かのっぴきならない理由で利用できなくなったときに払い戻せる権利」を追加料金で購入するオプションです。

ボクは個人的にゴルフのギャラリー券購入時にこの選択肢は初めて見ました。

それも5.60ドルでそのオプションを追加できるのは割とリーズナブルだなと思いました。

病気や車の故障、交通機関の問題など、客観的に証明するできる場合に限られるようですが、このオプションを付けないと、個人的な理由では払い戻しを受けることはできません。

予選落ちがない

予選落ちがないというのは出場選手にとってはもちろんメリットですが、ギャラリーにとってもプラスが大きいかもしれませんね。

お目当ての選手を観るために週末のチケットを買ったのに予選落ちしてしまった・・・というのはギャラリーあるあるですが、できるなら避けたいもの。

その点、予選落ちがなければリスクを負うことなく、(棄権等の事態にならない限り)お気に入りの選手を観られることは確実に保証されています。「なら予選ラウンドを観に行きゃいいじゃん」とおっしゃるでしょうが、それができないから週末のチケットを買っている場合も多いわけです。

でも逆に言うと、週末の会場はより混雑するかもしれませんね。見れないリスクを回避するために平日観戦を強いられていたギャラリーが週末に雪崩れ込んでくる可能性があります。となるとよほど平日にしか体験できないイベント等がないかぎり、週末のギャラリー数とのギャップは大きくなるかもしれません。

さらに逆に言うと・・・平日はよりねらい目に・・・ともなるわけですが。

ポートランド大会現地観戦からの追記:実際に週末最終日の土曜日はチケットがソールドアウトになりました。ボクが観戦したのは平日木曜日はギャラリーが少なくて快適でした。タイガーのいないノンメジャーの大会の平日、または週末のLPGA程度の混雑度だったと思います。)

会場へ向かう

平日であろうが週末であろうが、観戦チケットが予約出来れば、あとは家族や仕事の都合などをちゃんと確認して、大会当日会場に向かうだけです。

多くの場合には自家用車またはウーバーなどのライドシェアで行くことになり、車の場合には専用駐車場からシャトルバスで移動・・・という流れになるはずです。この辺はロンドン大会の交通情報を見る限りLIVゴルフも一緒でしょう。

でここで思い出しておくべきことは、LIVゴルフは選手48名の「ショットガン方式」でティーオフするという点です。ショットガン方式とは、日本でボクは個人的に経験したことがないのですが、アメリカでは大規模コンペなどでよく採用されるフォーマットで、

  • 通常のトーナメントの場合:基本的に全選手が1番ホールからティーオフ。試合や日によっては1番と10番ホールに分かれてスタートすることもある。したがって最終ホールは18番または9番ホールとなる。
  • LIVゴルフの場合:48人の選手が16ホールに散らばり、14:15に一斉にティーオフ(=ロンドン大会の場合)。最終ホールは各グループでばらばら。つまり例えば3番からティーオフしたグループは2番が最終ホールとなる。

ポートランド大会現地観戦からの追記:ポートランドのティーオフは13:15でした)

・・分かりましたでしょうか?

これがギャラリー観戦に与える影響は大きいと思われますw

まずは会場への入場に関する影響を想像すると、スタート時間直前はゲロ混みでしょう。通常の大会では選手のスタート時間が朝7時台から午後2時台まで分散しており、人気の選手がある特定の時間に固まることは少ないので、一極集中による混雑のリスクは比較的少ないです。

しかしながらLIVゴルフは全選手が一斉にスタートするので、当然ながらギャラリーはそこに合わせて会場入りしようとしますから、よほど大会側が策を講じていない限り、駐車場の入り口でまず渋滞、シャトルバスに乗るまで渋滞、会場入場ゲートで最後の渋滞、と渋滞のオンパレード。スタート時間に間に合わないリスクが多分にあると言えるでしょう。

これはもう早めに会場に向かうしかなさそうですね。

ネット(またはテレビ)中継の時間等考えるとロンドンのように午後スタートがスタンダードになりそうで、そうするとわざわざ超早起きして会場に向かうことはなさそうだなぁ、よかったなぁと当初は思っていたのですが、余裕をもって、と考えるとやはり早起きは必至なのかなぁとちょっとだけガッカリしていますw

ポートランド大会現地観戦からの追記:駐車場がオンサイトだったためシャトルバスでの移動はなく、かつ木曜平日の開門前に到着したので混雑は一切ありませんでした。しかし土曜最終日は様相が違ったようですね。チケットはソールドアウトになり、かつ周辺道路で激しい渋滞が発生したようです。ティーオフ時間から1時間経ってもまだ渋滞にはまっているとの報告がSNSに上がっています。詳しくは下記の記事を参照ください。

なお、「来年も開催するなら、駐車場へのサインを分かりやすくしてほしい」との意見がありますが、個人的には十分でした。ノンメジャーの大会であれほど駐車場のサインが分かりやすくかつ数の多かった大会をボクは知りません。)

会場入りして最初にすること

会場に入ってまずすること・・・余裕がある場合、個人的には練習場チェックですw

しかし全員同時ティーオフのショットガンスタートとなると、練習場ってどうなるんですかね。

コンペでショットガンの経験はありますが練習場はゲロ混みでした。空席を待つ行列ができていました。

ポートランドの会場、パンプキンリッジGCの練習場は確かに広い。でも48人全選手が一斉にボールを打てるほどのドライビングレンジ、そしてパッティンググリーンの広さはあったかな・・・と考えるとどうなんですかね。どうするんですかね。2コースから18H選ぶので練習場も2つ使えるのかもしれませんね。これは見てみないと分からないです。

ポートランド大会現地観戦からの追記:練習場はひとつだけで、パブリックな Ghost Creek コースのものを使用していました。空席を待つ行列はなかったと見受けましたが、ティーオフ1時間前には座席は端から端までフルハウスでした。)

一斉にティーオフする

先ほどから何度か申しております通り、LIVゴルフは各グループが別々のホールに散らばって一斉ティーオフするショットガン方式を採用しています。

つまりダスティン・ジョンソンの組は8番ホールから、ケビン・ナは14番ホールから、例えばそれぞれスタートする可能性があるわけで、となると好きな選手を18ホール追うには、まず8番ホールや14番ホールのティーグラウンドまでゴルフも見ずにダラダラともしくはいそいそと歩かなければならないわけです。選手はクラブハウスからカートで移動するんでしょうからまぁいいとして、ギャラリーは足を使うしかなく、結構な追加のハードワークですね。コースレイアウトによってはこれだけで歩く総距離が1.5倍になりそうです。

そしてスターターは付くのかどうか? 日本だと「ニッポンエクスプレス所属、日本女子オープン優勝、神奈川県出身、原英莉花~」ってやつですね。アメリカだと「プリーズ・ウェルカム、フロム・ジャッパーン、ナーサ・ハタオーカ~」ってやつですね。

個人的な予想ではスターターなしなんじゃないかと思っていますが、全ホールにいたらいたらでこれはこれで面白いですね! 一日一組しか紹介しないスターター。

ポートランド大会現地観戦からの追記:ボクはティーオフ時に18番ホールのティーグラウンドにいましたが、スターターはおらず、選手紹介もありませんでした。デシャンボー、DJという人気選手の組でそれですから、他もほぼ同じだったと思われます。しかしティーオフ前とラウンド後の移動はキツかった!)

お気にの選手をどう見るか

ショットガン方式のメリットいうかデメリットは、4~5時間で選手全員がプレーを終えてしまうことです。通常の試合の場合、先にも言ったように選手のスタート時間は午前から午後まで分散していますから、午前スタートのお気にの選手を18ホール追いかけたとしても、午後に別の選手や組、優勝争いなどを体力の続く限り観戦できます。

しかし一斉スタートのLIVゴルフでそうはいかない。ダスティン・ジョンソンを18ホール見たら、他の組は一切見れません。これは見たい選手が複数いて別々の組でラウンドしている場合、計画的に観戦しないとあっという間に時間切れになってしまうということを意味します。

これは悩ましいですねー。トップ選手16名が別々の組に割り当てられ、残り3名を選抜するドラフト制度を採用している限り、有名選手が一つの組に固まることは稀でしょう。ホール間の移動時間などを考慮すると、2~3人の選手に的を絞ってそれぞれ4~5ホール見る、というのが現実的な選択肢な気がします。

もちろん定点観測で、一つのホールに居座って全組全選手を観る、というのも比較的に容易に可能だし、それも楽しそうですね~。

団体戦と個人戦という2つのストロークプレーをミックスした大会なので、これが会場内のリーダーボードにどう表示されるのかも興味があります。おそらくそれぞれ交互に表示するんでしょうね。ということは電光掲示板にちょっとしたカスタマイズが必要なのかな。団体戦はプロアマでも多くやられているのでおそらく難しくはないんでしょう。

ポートランド大会現地観戦からの追記:電光掲示はカスタマイズされていたようですが、個人戦の経過表示が主でしたね。一部、団体戦の状況を表示する電光掲示もありました。)

あっという間に終わる一日

さっきも言ったように4~5時間で一日は終わってしまいます。選手数自体も少ないので当然と言えば当然なのですが、3倍前後のプレイヤーが出場する通常トーナメントの予選ラウンドと比べると時間は半分以下ですね。

となると余計な勘繰りかと思いますが、場内の飲食での売り上げも半分とかになる可能性がありますね。飲む時間が半分以下になりますし、午後スタートだと昼食を会場外で済ませてからという人も多いでしょう。でもまぁサウジの富豪たちはそんなはした金のことなんて気にしてないか。w

ポートランド大会現地観戦からの追記:13:15ティーオフでしたが、昼食はコース内で摂りました。10時の開場と同時に入場し、スタート前は練習場に入り浸っていたのでご飯を食べる余裕はなかったですね。)

コースに居られる時間が短いのはいいような悪いような・・ですね。ネットやテレビ中継をするメディアにとっては喜ばしいんじゃないでしょうか。ショットガン方式によって誰かしら有名な選手はコースでプレーしていますから。最終日スコアを伸ばして先にホールアウトして後続を待つ・・なんて状況はなくなります。

とすると、これがウィニングパット!ってのはどうやって知るんでしょうか。全ホールにリーダーボードがあるんでしょうか。同じくプレー中の他の組のリアルタイムの状況はどうやって知るんでしょうか。

この辺はとても興味深いですね。初回のロンドン大会の最終日を注視しておかないとw

ファンサービス?

ラウンド後のファンサービスってどうなるんだろう? 女子とは違い男子プロの場合、サインや写真撮影に応じなかったり、応じても子供だけ、ということが多いのですが、全選手が同時にホールアウトして引き上げてくるとなると、クラブハウス周辺は選手達とギャラリーとでちょっとしたカオスになりそうw

でもそれも面白そうな絵だなぁ。

取材メディアとかはちょっと大変かもしれないですが。

ポートランド大会現地観戦からの追記:平日でギャラリーも少なめだったこともあり、ファンサービスはやる人はやる、やらない人はやらない感じでしたね。選手の滞在するクラブハウスと練習場の間には一般ギャラリーが入れるスペースがなく、パッティンググリーンとドライビングレンジ間の僅かな通路でファン対応していました。)

また渋滞?

このブログを読んでくださった方はおそらくもう気が付いているでしょう。

全選手のプレーが同時に終わりますから、そこでギャラリーは一斉に帰路につきます。となると当然混みますよねw

往路に比べれば時間に余裕がある人が多いでしょうから精神的には楽かもしれませんが、肉体的には辛いかも。

ポートランド大会現地観戦からの追記:ラウンド終了後も練習場周辺にたむろっていたのでピークタイムの様子はわかりませんが、あの様子だと大した渋滞はなかったのではないでしょうか。週末土曜日はわかりませんが。)

まとめ

あくまでも初回大会前時点における、ボクの「想像」で書いてみましたが、

  • チケット購入にはちょっとしたお得感あり
  • 会場の入退場は混雑するかも
  • ショットガン方式を覚えておいてプレー観戦は計画的に

といったところでしょうか。

ポートランド大会現地観戦からの追記:これ、すべて正解ですねw 詳しくは「LIVゴルフ現地観戦で気づいたこと10選」をご覧ください。)